|
地域社会のさまざまな課題解決に取り組むためには、地域資源を上手く活用し、地域全体を巻き込んでいくことが必要です。またそうすることで、人と人とのネットワーク・つながりを地域に生んでいき、新たな可能性が生まれてきます。今回は、その地域資源のなかでも、専門知識・技術、そして学生という人的資源のある大学に焦点を当てて、それらをいかに活用することができるのか、またそこからどのような可能性がみえてくるのか、事例を参考にしながら考えてみます。 |
「新たな視点の宝庫!」
ネットワークとちぎ&白鴎大学
●お互いの求めるものが合致して
栃木市内のまちづくりに取り組んでいるネットワークとちぎでは、市民が自ら考え行動する市民自治のまちづくりを推進するため、2002年「とちぎ自由大学」を設立。以来、地域の文化・歴史・まちづくりに関する多様な講座を開催しています。
そのなかでネットワークとちぎでは、ワークショップ運営に関する、より専門的な知識や経験が必要だと感じ、専門のノウハウを持つ機関との交流を求めていました。一方大学側でも、その専門機能をどう地域に融合させるか、学生の社会体験をどう進めるかという課題を模索していたところでした。
お互いの求めるものが合致し、長所が活かされるかたちで、「まちづくり実践学部(第1期〜)」と「路地裏文化部(第5期〜)」に、それぞれ白乗ス大学法学部の児玉ゼミの学生たち、同大学発達科学部の岩城ゼミの学生たちが主体的に参画してきました。
「まちづくり実践学部」ではまちづくりに関する勉強会、先進事例調査報告や政策提言、イベントなどを協働で行い、「路地裏文化部」では昔の遊びやフィールドワークなどを通して4世代交流が図られました。
|
●団体の声
学生、教員と市民との接点は、貴重な発想や新たな視点の宝庫。今後はシステムとして継続させることが課題です。 |
「学生の力で調査活動!」
NPO法人栃木県車椅子の会&作新学院大学
●車椅子利用者が使えるマップ作成
2004年5月に「全国脊髄損傷者連合会栃木県大会」が開催されました。全国から訪れる車椅子利用者の方たちのために、NPO法人栃木県車椅子の会では、県内の諸施設を対象としたバリアフリー調査を行うことを企画しました。
活動は2003年6月から開始しました。全県を対象とした調査のため、同会のメンバーだけでは大変であると、作新学院大学リエゾンオフィスを通じて、ボランティア活動に関心のある同大学の学生たちにも参加してもらうことになりました。
活動内容は、実際に歩いて諸施設をみてまわる調査で、同会代表の村上八郎さんが作成した調査票に基づいて、入り口に段差がないか、身体障がい者専用駐車場があるか等のチェックポイントを調べていきました。最終的な調査結果は、「身体障害者お出かけマップ」として2004年3月に発行しました。
|
●団体の声
車椅子利用者は、移動だけでも大変。学生の方たちはみなさん、一生懸命に調べてくれました。学生の方たちに加わってもらえたことで、調査結果を早くまとめることができ、大会に参加した方たちにとても喜ばれました。 |
|
作新学院大学リエゾンオフィス
地域社会と作新学院大学の教員・学生をつなぐ窓口
住所:〒321-3295 宇都宮市竹下町908
電話:028-670-3678 FAX: 028-670-3678
E-mail:
liaison@sakushin-u.ac.jp |
「国際社会で活躍する人材育成を」
いっくら国際文化交流会&宇都宮大学
●大学でセミナーを開く
宇都宮市で国際理解・文化・協力に関する幅広い活動を行っているいっくら国際文化交流会の代表である長門芳子さんは、宇都宮大学国際学部の社会人入学の第一期生です。
国際社会で活躍する人材が育ってほしいという思いから、毎年「国際キャリア合宿セミナー」(公開講座)を同大学と共催で開催しています(窓口:国際学部留学生センター)。
セミナーは、同会の活動を通じて築いたネットワークをいかし、青年海外協力隊経験者、NGO職員、国際ジャーナリストなど国際分野の多方面で活躍している方たちを講師に招いています。学生たちも運営に携わって、分科会のファシリテーターを務めます。毎年60〜80人の学生および一般市民が参加しています。
|
●団体の声
このようなセミナーに参加することは、学生にとってよい刺激になっていると思います。将来の方向性が定まるのではないでしょうか。「いっくら」としても質の高いプログラムを地域社会に提供することで、地域に貢献できていると思います。 |
|
●団体の声
栃木県内の18大学等が連携し魅力ある地域づくりを目指す「大学コンソーシアムとちぎ」という協同体が2005年4月に設立され、動き始めています。 |
大学とつながるには・・・
団体と大学との関わりは、大学関係者とのつながりがきっかけとなり、始まることが多いようです。
大学にボランティアセンターや特定のセンター等がない場合、学生課が地域の窓口となっていることが一般的です。
これらの事例のように、多様な知的・人的資源をもつ大学と地域社会が連携することで、個性や魅力あふれるまちづくりが進められています。
大学側から地域をみると・・・
「地域社会貢献とそれを担う人材育成を同時に!」
国際医療福祉大学IUHWボランティアセンター長
大石剛史
国際医療福祉大学では昨年の10月、県内の大学では初となる大学内ボランティアセンター(IUHWボランティアセンター)を開設しました。
本学ではこれまでも、学生の自主的なボランティア活動が活発であり、大学側でも、ボランティアは学生の成長にとって重要な「学び」となるという認識から、教職員でボランティア委員会を組織し、学生のボランティア活動を組織的に支援して来ました。その結果現在では、学内に15を超える学生のボランティアサークル・団体があり、常時650名を超える学生がボランティア活動を展開しています。
しかし、よりいっそう学生のボランティア活動を促進するためには、地域のボランティアニーズと学生のボランティア参加ニーズを結びつける大学ボランティアセンターの設置が不可欠ということになり、センター設置が実現しました。
学生は地域の中でのボランティア活動を通して、社会に貢献することを学び、人間として大切な価値観や理想を実現する行動力や方法を学びます。また、大学がその人的・知的資源を地域に還元することによって、より豊かな地域社会づくりが実現できると思います。IUHWボランティアセンターの仕事は、学生のボランティア活動の支援を行い、地域と大学(学生)を結びつける活動を展開することで、地域社会に貢献できる人材の育成と、実際の地域社会貢献を同時に行っていくことです。
これから、地域の人たち、そして学生たちと一緒に様々なボランティア活動を展開していきたいと思っています。学生達との協働活動に興味のある方は、是非一度IUHWボランティアセンターまでお越し下さい。
|
国際医療福祉大学IUHWボランティアセンター
住所:〒324-8501 大田原市北金丸2600-1
電話:0287-24-3719 |
この内容は情報誌「ぽ・ぽ・ら」2006年3月号に掲載したものです。
|