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この2月に策定された、栃木県総合計画「とちぎ元気プラン」では、とちぎづくりの基本姿勢の一つとして「県民が協働するとちぎ」が掲げられています。ここでは、県民一人ひとりやボランティア、NPO、企業、行政などが、それぞれの立場を越え、さらには性別や世代といった垣根にとらわれることなく、連携・協力していく、県民が「協働」する社会としていかなければならないとされています。また、地域の特性を踏まえ、「協働」による新たな価値の創造を目指し、県民から「協働」の提案を受けて事業を展開していく手法の構築に取り組むとされています。このように県民との協働による県政の推進が掲げられていますが、そもそもその「協働」とはいったいどんなことなのでしょうか。 |
「協働」(きょうどう)って何のことだろう
最近、いろいろなところで「協働」という言葉が使われています。共同、協同、共働、同じような言葉がたくさんありますが、何が違うのでしょうか。
実は、私たちの暮らしの中にも「協働」をたくさん見つけることができます。では、暮らしの中の「協働」を見つけてみましょう。
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ポポちゃんは、小学4年生になりました。お母さんが作ったカレーが大好きです。ポポちゃんは、先日、調理実習があって、包丁で野菜を刻めるようになりました。
いつもはお母さんが作ったカレーを食べるだけですが、今日はお母さんと一緒にカレーを作ることにしました。ポポちゃんは、一人でカレーを作れませんが、自分のできることをお母さんと一緒にやりました。一緒に作ったカレーはとても美味しくて、しかも二人で協力したので早くできました。お父さんも喜んでくれて、楽しくカレーを食べることができました。
しばらくすると、ポポちゃんはお母さんに、今度は一緒に巻き寿司を作ろうねと提案しました。お母さんは、「コンビニで買うよりも美味しくできるし、身体にも良いし、お寿司屋さんに食べに行くよりも安上がりだね。」と言って一緒に作ることにしました。 |
「 協力して、一緒に働く」
このように、「協力して、一緒に働く」ことを「協働」呼んでいます。一人で作るよりは、誰かと一緒に作る方が、早くさらにより美味しいカレーができるといったような様々な効果が表れています。「協働」は、こうした効果を期待して行われます。カレーを作るということについては、同じ目的のもとで対等な関係と言えます。一緒に活動することが心地よければ、効果もあがるし、時間短縮などコスト削減にもつながるのです。これがもし、お母さんがポポちゃんにお手伝いを強制したとしたら、どうでしょうか・・・。気持ちよく活動できるでしょうか。効果があがるでしょうか。お母さんは、ポポちゃんの気持ちを大切にして、ポポちゃんが自分でやってみたいという気持ちを大切にしました。
「協働」とは、一緒に目標を探し出して、一緒に実現していこうとすることです。そこで大切なのは、気持ちよく仕事ができることです。相手のことをよく理解しないで、安易に全てを任せてしまうような「委託」や「丸投げ」は「協働」ではありません。お母さんは自分で楽になるために、ポポちゃんにカレー作りの全てをさせたりしないのです。
「暮らし」をより「楽しく」、「心地よく」する方法
またお母さんは、ポポちゃんの自分でやりたいという気持ちを大切にして、ポポちゃんが巻き寿司を作りたいという提案を受け入れようとしています。このように「協働」は、「お願いする協働」も、「提案する協働」もあります。
「協働」は、これからの私たちの暮らしをより楽しく、心地よく暮らすために必要な方法です。協力して仲良く働くということ、これはまちづくりそのものなのです。お互いを大切にしようとする心地よさ、一緒に何かをしようとする楽しさを通じて、暮らしやすいまちをつくっていきます。暮らしの中では、「協働の技術」ではなく、「協働の心」を大切にしたいものです。
■報告 地域力を高める協働のための「キーポイント」
去る2月25日(土)国際医療福祉大学(大田原市)にて当センター主催事業「那須野ヶ原協働フォーラム〜地域力を高める協働〜」を開催しました。約130名の参加を得たこのフォーラムでは、地域力を高める協働をすすめるためのいくつかのキーワードが出されました。
共催:国際医療福祉大学IUHWボランティアセンター、大田原ボランティアの集い実行委員会
後援:大田原市教育委員会、(福)栃木県社会福祉協議会、(福)大田原市社会福祉協議会、
(福)那須塩原市社会福祉協議会
協力:(社)那須野ヶ原青年会議所
●パネルディスカッション「地域力を高めるための協働のあり方を考えよう」
パネルディスカッションでは、「地域力を高める協働」の現状報告と提案を3名のパネリストがそれぞれの視点から行いました。
安宅ミチ子さん 那須塩原市ボランティア連絡協議会会長
「長い時間をかけてコミュニケーションを」
短い時間で相手を知ることは大変。
身近な問題で集まって話し合うなど、みんなで話し合うことが一番大切。
大石剛史さん 国際医療福祉大学IUHWボランティアセンター長
「地域の方と一緒に協働の基盤づくりを」
地域の方が大学に来やすい雰囲気を大学側がつくっていきたい。そして、地域と大学が協働してどんなまちづくりができるのかを学生、教員、地域の方々が同じテーブルで考え、何か生み出していきたい。
阿久津陽司さん 今市市立大沢小学校PTA副会長
「無関心が最大の敵」
地域に対する「無関心」をなくし、事件・事故の起こりにくい地域の空気づくりが必要。これからは、保護者・先生で構成する「PTA」でなく「PTC(地域社会)A」の時代。地域一体ということを常に中心に考えながら子どもを守るための地域の協働を進めたい。
コーディネーター:
岡直樹さん (社)日本青年会議所関東地区栃木ブロック協議会直前会長
「企業と地域社会の協働という視点」
人・もの・情報・技術をNPOと企業が一緒になってまちづくりの中に生かしていくことが必要。
●分科会
分科会では、パネルディスカッションの内容をもとに3つのテーマで「地域力を高める協働」について意見交換を行いました。
分科会A 「ボランティア・市民活動団体同士の協働」
(1) 団体同士の垣根をとりはらう・違いを認める
(2) いざというときの団結力が必要
分科会B 「大学と地域の協働を考える」
(1) 共に学びあう「学びあい」
・大学は地域の人たちに学びの場を提供し、学生は地域の中で学びの場を提供してもらう。
(2) 敷居を下げる
・お互いの[壁]を取り払い、交流しやすい状態に。
分科会C 「地域の力で子どもを守る」
(1) 危機管理の意識をもつ
・地縁(近所)が軸になって子どもを守る
(2) 普段から大人と子どもの信頼関係をつくる
・大人に助けを求めたい時、子どもとどれだけの関係が築けているかが重要。
◆フォーラムの開催も協働で
今回のフォーラムは、上記団体・機関の方々とぽ・ぽ・らとの『協働』の実践であり、初めての試みでした。このフォーラムの開催に向けて、それぞれの団体がその得意技を生かした運営ができたからこそ、ボランティア団体・NPO、地域住民、PTA役員、企業、大学関係者、学生、施設・行政関係者など、20代から80代まで多彩な人々が集まり、「地域力を高める」ことへの熱い思いが語られました。それぞれの個性を認め合い、生かしあうことが『協働』であり、フォーラムを成功に導いた源となりました。
この内容は情報誌「ぽ・ぽ・ら」2006年4月号に掲載したものです。 |