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それぞれの個性を認め生かしあって一緒に目標を実現していく「協働」。今回は、市民活動と市民をつなぐ情報交流の場として設けられ、市民と行政の「協約」という形で運営されている埼玉県蓮田市の「はすだNPOプラザ」の事例から、協働のキーポイントを探ります。
■協働年表
● 2000年9月
「市民活動を地域で支える環境づくり懇話会(愛称エスプリ)」が蓮田市の公募(22名)によって結成される。 |
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環境、福祉等さまざまな市民活動団体で活躍している市民が集まり、市民と行政のパートナーシップのあり方が10回にわたり話し合われた結果、蓮田市内のNPO・市民活動の実態を調査することが決定した。
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●2000年12月
懇話会メンバーと市民活動を実践している有志らによって「市民による市民活動調査委員会」が組織される。 |
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蓮田市との協働で市民活動実態調査を行う。
市内にある約100団体のほとんどは小規模な団体で、活動拠点や活動経費、後継者などいろいろな問題を抱えていることがわかった。これにより、市民活動を活性化するうえで多くの課題があることが確認され、個々の団体を支援するNPOをつくる動きにつながった。
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●2001年5月
調査委員会の有志で「はすだ市民プロジェクト21呼びかけ人会」結成。 |
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検討を重ねた結果、NPO法人を設立し、行政と市民の協働による対応の必要性が改めて確認される。
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●2001年7月
「市民活動フォーラム」開催。 |
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「市民による市民活動調査委員会」と「はすだ市民プロジェクト21呼びかけ人会」の共催で開催。市民活動の実態調査結果報告を行い、市に対して活動の拠点の提供を求めるとともに、その運営はNPO法人を設立して担っていきたいという提案をする。
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●2002年1月
法人設立の認証を申請。 |
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「はすだ市民プロジェクト21呼びかけ人会」が中心となり、「NPO法人市民プロジェクトはすだ」の設立準備を行う。
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●2002年3月
蓮田市がコミュニティセンター内の一角に「はすだNPOプラザ」を開設。 |
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管理運営について市と「市民プロジェクトはすだ」が「協約」を締結。対等な関係を表現するため、市からの提案により、「委託契約」ではなく「協約」がとられる。
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●2002年4月
「NPO法人市民プロジェクトはすだ」誕生 |
■協働の内容
〜「協約」と「はすだNPOプラザ」〜
1 「はすだNPOプラザ管理運営協約」
「市民プロジェクトはすだ」も「市」も受・委託ではなく対等な関係を表現するものと理解し、「NPO・市民活動を実践的に支援し、活動の定着と活動基盤強化を図るため、市民プロジェクトはすだと蓮田市が協働して、活動促進の拠点づくりを目指すこと」を目的としている。
★「協約」の主な内容両者の役割分担として次のように規定。
・「市民プロジェクトはすだが管理運営を行う」
・「市は、設備・備品を無償貸与する」
・「市民プロジェクトはすだは、市に対して管理運営の対価の拠出を求めない」 |
2 運営体制
「NPO法人市民プロジェクトはすだ」のメンバーが当番制ボランティアでNPOプラザの窓口業務を務めている。
3 はすだNPOプラザの機能
・情報提供、普及啓発・・・情報のデータベース化。会報の発行(隔月)。
・人材育成・・・専門的な研修の開催。
・相談、アドバイス・・・NPO法人の設立認証や市民活動の運営などについての相談。
・交流、ネットワーク・・・活動団体の分野や地域、組織形態を超えた交流、行政や企業とのネットワークづくり。
・調査研究・・・活動の資料作り、NPO・市民活動のあり方などについての研究、それに基づいた行政への提言。
●その他、「NPO法人市民プロジェクトはすだ」が実施した主な事業(平成17年度)
「NPOスキルアップ講座(市より受託)」、「市民活動フォーラム(市が後援)」、「NPO展(市と共催)」、「親子ふるさと学校(市中央公民館と共催)」、「パソコン教室(自主事業)」等がある。
■協働の「キーポイント」
共設民営 〜ともに汗をかく〜
津浦:はじめは、「市民活動=行政に対して注文をつけること」「自分たちがやるのではなく、行政がもっとやるべき、行政に何かさせよう」という意識でした。でも、市民と行政が一緒になって勉強会やワークショップをやっていくなかで、「NPO」というものがだんだんわかってきて、協働でNPOプラザを設置することになりました。
小林:まだ「NPO」や「中間支援組織」というものがよく分からない中で、市民と行政が一緒になって「NPOプラザは本当に必要なのか」ということから話し合い、勉強し、考えました。そして、お互いがこの地域に支援センターの必要性を感じ、市民が中心・主体でNPOプラザをつくることになりました。ですからこのNPOプラザの設立にあたっては「公設民営」ではなく、市民と行政が共に汗を流し作り上げた「共設民営」と認識しています。
協約 〜お互いに決めた約束〜
小林:業務委託というのは「委託ー受託」の関係で、それは上下の関係だと思います。また、今まで行政が基本構想や計画を作る中で、「市民の声、意見を聞き、市民の話し合いの中から決めます。」と言いながら、実際には形だけの市民参加でしかないケースが多かったように思います。今回もそれでは蓮田市に協働社会の夜明けはこないだろうという危機感がありました。ですから、お互いに決めた約束である「協約」という形で合意し、NPOプラザの運営に関しても特に何かない限りは、「市民プロジェクトはすだ」にお任せしています。
津浦:私たちやNPOプラザが、「市の下請け」「市の出先」と見られることはしょっちゅうでしたが、私たちも市も、そういう認識はありません。また、「協約」に規定されているように、プラザの運営は全くのボランティアです。経済的には確かに厳しいですが、「NPOプラザを活動拠点として自分たちの活動を行う」という認識だったので、そのことについて抵抗はありませんでした。もちろん、「協約」を一方的に押し付けられたという気持ちにもなりませんでした。「協約」にしたことで、私たちの独自性や自主性は確保され、やりやすくなったと思います。日常的な市とのやりとりは特にありませんが、月1回の定例会には参加してもらっています。基本的には、市はそばで見ていてもらうという感じですね。
協働〜だんだん浸透していくもの〜
津浦:この取組みで、「協働」は少し蓮田に浸透したのではないかと思っています。「協働」という言葉を使っているだけでは単なる飾り言葉にすぎないと思います。市民と行政がいろいろな機会を捉え行動していくことで、だんだん「協働」が浸透して進んでいくのではないかと思います。
小林:蓮田市の「協働の第一歩」という取組みをしたいと思っていました。この取組みから、市民が主体的に何かを考えていく、発意をしてやっていくということがやりやすい雰囲気、風土が作られたと思います。民間・個人・企業・行政それぞれの強みが出せて、弱みが補えるような組織作りが今後は必要だと思います。
地域の拠点〜プラザの今後〜
津浦:「はすだNPOプラザ」を拠点とし、中間支援組織として何をやっていくのかが、まだまだ中途半端な部分もあり、悩みながらやっているというのが現状でもあります。そういった面からもこれからは、団塊世代を中心にもっといろいろな方をひきこんでやっていく必要があると思います。
岩崎:今後は「市民プロジェクトはすだ」そのものが、より自立していくための資金や人材も必要だと思っています。言葉だけのNPO支援ではなく、地域のいろいろな財産を有効活用し、広がりのある活動をしていきたいです。住民が安心して生活できることにNPOプラザでの活動がつながればと思っています。
■施設データ:はすだNPOプラザ
〒349-0132 埼玉県蓮田市貝塚1015コミュニティセンター内
TEL&FAX:048-767-1220
URL:http://www.hasudanpo.jp/(市民情報局・はすだ)
開館時間:10:00〜18:00 休館日:毎週金曜日、年末年始 |
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NPOプラザの設立にあたり、「市民サービスとして行政が行うべき」という意見もあったそうです。しかし、そこでじっくり時間をかけて市民と行政が話し合い、調査等を行っていくなかで、「両者が一体となるべき」という考えに達しました。「協働」には、このような十分な対話が必要であるとともに、その結果についても互いが責任を持つことが大切ではないでしょうか。 |
この内容は情報誌「ぽ・ぽ・ら」2006年7月号に掲載したものです。 |