特集 協働のすすめ(4)専門性を生かした地域の協働コーディネーション〜グローバル・グループ〜

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特集 協働のすすめ(4)
 専門性を生かした地域の協働コーディネーション〜グローバル・グループ〜

 それぞれの個性を認め生かしあって一緒に目標を実現していく「協働」。今回は、学校をはじめ地域のさまざまな団体と協働して、鹿沼市を中心に国際交流・異文化理 解を目的として活動している「グローバル・グループ」の事例から、協働のキーポイントを探ります。

■協働年表

1991年
 鹿沼市に住む外国人が生活に困らないようにと集まった5人が、市の英語版地図を作成。

 →鹿沼市国際交流協会主催の新年パーティーで、外国人150人に配布。その後、外国人の要望に応え、ニュースレターや暮らしのガイドブックを発行。

●1993年
 
市の生涯学習課から委託され、市内在住の外国人を対象とした鹿沼の地域文化を理解するための「外国人のためのかぬま文化講座(年5回)」を開催。

 →市内の公民館、美術館、博物館などの公共施設の案内や伝統行事のガイド、特産物の紹介、それらに関わる市民との交流などを5年間にわたり実施(93年〜98年)。

●1996年
 鹿沼市立石川小学校での学社融合事業に国際理解教育の分野で協力を開始

 →同小学校からの要請を受け、学校現場における国際理解教育に関する授業づくりを学校と一緒に進める。授業企画のアドバイス、外国人講師の派遣などを行う。

●1997年
 市民課と共に「外国人のための3ヶ国語翻訳版広報かぬま」の発行を開始

 →鹿沼市広報を中国語、英語、スペイン語に翻訳し約700名の外国人登録者世帯に毎月郵送。3つの民間団体がそれぞれの言語を分担して翻訳。(グローバル・グループは英語担当)

●1999年
 生涯学習課と協力して、市内の各小中学校に国際理解教育支援ボランティア組織の立ち上げを開始

 →石川小学校での国際理解教育の実践が市内各学校に伝わり、他校からも依頼が増加。そこで、ボランティアが関わる授業を公開するとともに、ボランティア募集を行い、各学校の国際理解教育支援ボランティアの立ち上げを支援し、その組織化を開始。

●2005年
 「翻訳版広報かぬま」のヴェトナム語翻訳開始
●2006年
 学校のニーズと地域人材のコーディネーションを活動の軸とし、講師役だけでなく、授業のアレンジや講師派遣など総合的なコーディネートをメンバー20名のネットワークを生かして行っている。

■協働の内容

1 国際理解教育支援ボランティアネットワークの形成

 1999年からグローバル・グループと鹿沼市との協働で「学校区における国際理解教育支援ボランティアの育成」を行い、2005年3月までに、市内の全小中学校(30校)に国際理解教育を支援するボランティアグループが立ち上がりネットワーク化されている。総合的な学習の時間や各教科、学校行事、保護者対象の研修などにおいて、外国人講師の派遣、事業の企画、調整、提案、教材開発などを学校や地域の団体とともに進めている。

★実施の流れ★
 (1) 学校と支援ボランティアの打合せ
 ・学校側のねらいやニーズ(教科、学年、時間など)を詳細に聴き取り、それらを考慮した上で適切な講師を選択。授業の内容についても講師の特技や特徴を生かすために打ち合わせを行う。
 (2) 学校と支援ボランティアと講師の3者による打合せ
 ・具体的に授業を進めるために、詳細な展開について打ち合わせを行う。
 (3) 事前に準備する教材や教具の準備(所在の確認や借用依頼)
 (4) 授業の実施
 (5) 事後学習を行い、ふりかえりシートに記入

2 鹿沼市国際理解教育支援ボランティアプログラム集の発行
 グローバル・グループがコーディネートして市内の各学校や施設で実施した国際理解教育活動のプログラムをまとめ、記録集として市の生涯学習課が発行している。編集はグローバル・グループが行っている。2000年から発行しおり、今年で6冊目となった。市内各学校の教員に配布し国際理解教育の授業づくりを支援している。 
 ねらい、当日までの準備、展開例、教材など具体的に実施するための全ての情報が記載され、教員が地域の人材の協力を得て授業を計画する際に必要なプログラムバンクとなっている。


■関係者が語る「協働の効果」

 2006年7月13日(木)石川小学校でグローバル・グループがコーディネートした能・狂言の授業が行われました。この授業は、栃木県謡曲連盟理事の原田寛子先生による授業で、写真、ビデオ、実物の小道具などに直接触れながら、謡の練習も行うものでした。今回は、石川小学校の先生、支援ボランティア、グローバル・グループ代表の山本和子さんにお話を伺い、グローバル・グループに見る「協働」の具体的な姿を見ていきます。

「地域の協働の輪」から生まれる本物に触れる醍醐味

〜先生方の声、支援ボランティアの声〜
能面と笛、小鼓●(石川小学校教諭)いくら私たち教師が頑張っても、子どもたちに伝えることのできないことを、グローバル・グループや支援ボランティアの広いネットワークの力をお借りして、子どもたちが「本物」に触れるという経験ができます。これをベースとして、子どもたちの興味付けや発展的学習につなげ、どのように展開していくかということが私たちの仕事・課題です。

●(支援ボランティア)以前から支援ボランティアで関わっているお母さんに誘われて参加するようになりました。今年で3年目です。子どもは3年生ですが、わが子の学年に関係なく時間のあるときはなるべく参加しています。子どものためというより、自分のためですね。子どもと一緒に楽しく勉強させていただいています。

講師の原田さんと能「羽衣」の謡の練習●(石川小学校教諭)子どもたちが大人になったときの記憶に残る、本物の醍醐味が味わえます。また、人としての魅力に触れ、そのことを深く研究している方の「人となり」を知ることもできると思います。私たちだけでは地域の人材を探すのが困難ですが、地域の方のネットワークに本当に助けられています。学校の教師が授業のつなぎ方をもう少し勉強しなくてはと思っています。このような「本物」に触れられる授業がどの学校でも実施できるようになってくるといいと思います。


向上の励み〜協働の相乗効果〜

山本和子さん

海外研修でヨーロッパを訪れたことがきっかけで、国内での国際交流活動を開始。グローバル・グループ、国際理解教育支援ボランティアネットワーク代表。

山本:学校の先生方からの提案が私たちを向上させます。学校の先生と講師と私たちが協働することがお互いの向上につながっています。大人でもなかなか触れることのできない世界をこれからも子どもたちに、そして地域の方にも触れていただきたいです。

人をつなぐ〜グローバル・グループの目指すもの〜

山本:毎年市内の各学校でおよそ50の協働による授業が実施され、約15カ国の講師が延べ80名、授業を受ける子どもたちは年間およそ6,000名。高校からの要請も受けるようになりました。石川小学校で始まった国際理解教育を教育の機会均等という見地から市内に30校実践しようと支援組織を形成しました。学校と支援ボランティアと講師が一体となって豊かな授業が実践され、多くの人たちの国際感覚の育成に貢献していると思います。国際理解を推進するには国内理解も大切な題材の一つです。学校の授業だけでなく、学年PTA、家庭教育学級、子ども会育成会、独自の調理教室などさまざまな場面での展開が可能です。今後は、全県、全国でこのような取り組みがなされて、世界の相互理解が深まることを願っています。

■団体データ:グローバル・グループ
〒322-0015 鹿沼市上石川1362-6
TEL&FAX:0289-76-3393
E-Mail:ctybm446@ybb.ne.jp
URL:http://www.age.ie/~ggkanuma/

■協働の「キーポイント」
 ★高い専門性を生かした協働
 ★丁寧な打合せと綿密なコーディネートによる協働の充実
 ★「プログラム集」の発行による協働ノウハウの提供
 
 グローバル・グループは、その高い専門性を生かし、学校・地域の団体・行政と協働しながら学校と地域、地域と地域、人と人をつなぐ「地域のシンクタンク機能」を果たしている。

この内容は情報誌「ぽ・ぽ・ら」2006年8月号に掲載したものです。

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