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| 特集 | 協働のすすめ� 〜協働座談会〜 キョウドウの現在(いま)と未来(これから) |
角田:今日はお忙しい中ありがとうございます。これまで、「協働」の多様な現場を取材させていただき、「協働の現在」をどこまでこの特集でお伝えできたかわかりませんが、改めてバックナンバーをお読みいただいていかがでしたでしょうか? 危機感が動き出す原動力に ![]() 飯島:最初に取り上げた「石ぐら会」といえば、10年以上前に、博物館の前身の郷土資料館が火事に遭い、活動の場がなくなってしまったことがありました。そんな時でも、「石ぐら会」は学芸員さんと一緒に図書の煤を拭き取り、保存し、地域の方と資料の収集を行うなど、前より大きな存在になっていましたね。 鈴木:6月号の「くまの木」もその例でいうと、危機感だと思うんですよね。この廃校されちゃう学校どうするの?という時に、まちの人たちから何か沸々と出てきた。そこに、「自分たちの学校」という意識があったことが大きいんでしょうね。地域には異動する人・しない人がいる 鈴木:8月号の「グローバルグループ」も頑張ってますよね。学校と一緒に行ったプログラムを記録集にまとめて配布しています。単発のボランティアとして関わる大人は大勢いるけれど、一つのフォーマットとして「こういうことができます」という提案は他ではまだあまり見られないですね。 飯島:その記事を読んだ時に、学校の先生たちには異動があるけど、地域の人は動いてない。山本さんたちはずっと鹿沼にいるからこんなふうに継続してるんだなと思いました。私たちのNPO法人でも、地域の小・中学校とか、保育園と関わりをもっていますが、担当だった先生が異動してしまうと、翌年は声がかからなくなることがあります。 鈴木:それから、「石ぐら会」の事例では、博物館や図書館の学芸員さんや司書さんというのは意外と異動がないということが大きいですね。公民館の職員の方は3年とか5年で異動がある。その施設の職員さんとの信頼関係で「それやります」という部分って大きいじゃないですか。 ![]() 槇:地域には、「変わらない人(地域にずっといる人)」と「変わる人(異動する人)」がいるというのはキーワードになっているかもしれないですね。 飯島:さっき地域の住民は動かないと言ったのと同じように、私たちNPOも動かないんだけど、初めて行政との協働事業を行って気づいたのは、担当者は異動するということです。人と人の信頼関係を考えると、同じ目的志向でいくなら、行政の方もこの事業が終わるまではおつきあいいただきたいなという思いもあります。 槇:行政の動く論理とか、行政は法律に基づいて仕事をしているということを、市民の側が理解をして、そういう動き方をしている人たちとどうしたら一緒に何かができるか、と考えていく必要がありますね。 飯島:価値観の違う人たちが動くのに、お互いに納得できる最低限のルールはつくっていかないと困りますね。 協働は言うは易く行うは難し 飯島:この頃は、行政の総合計画の中に、「協働」という言葉がどこにでも書いてあって、安易に「協働」を使いすぎではないかと感じています。イメージで「協働」と言っているけれど、どんなに「協働」が大変なことか。「協働」は「言うは易く行うは難し」。まさにそれだと思います。 ![]() 角田:そういえば、飯島さんと中田さんは平成13年度の栃木県NPO等活動促進懇談会の委員でいらっしゃいましたが、そこではずっと市民活動全体とか、「協働」について議論されていたわけですよね? 飯島:「協働」だけでもずいぶん議論しました。でもまだその当時は、行政が施策のトップに協働をもってくるという時代ではなかったと思います。ただ見通しとしてはありましたが。 市民の参画を育てる協働を ![]() 中田:阪神淡路大震災の時に、行政の限界がわかり、同時にボランティアの力ってこういうものなんだということもわかった。自分たちのことは自分たちでやっていくというあの神戸市民のような形でいかなきゃいけない。「いつまでも行政ばかりに頼れないぞ」ということから、ボランティアやNPOの活動が盛んになってきたわけです。そこから自分たちが社会に参画していくんだという考え方も出てきた。 行政から発信されたこの「協働」という言葉は、市民の参画意欲とで相乗効果を出していくことが必要なんだろうと僕の中では思っています。だから飯島さんが言われたように、あんまり「協働、協働・・」と言うよりも、この特集で取り上げたような具体的な取り組みを精査した上で進めていかないといけないのかなと思います。 飯島:かつては、「協働」はもっと地に足がついたイメージでした。今は「協働」という言葉が先行してしまったことによる「ぎこちなさ」があると思います。前はやりたくてやってたら、結果として「あれ?協働だった」というのを体験してきていますが、今は先に「協働ありき」が目立ちます。実際、協働事業をやるには、団体そのものに力がないと頑張れないんですよ。対等になるためにはこちらもパートナーとして努力が必要です。相手は事務職のプロだったり、営業のプロだったりするので、目的達成のためには私たちも学ばなければ協働事業はできないです。また、日頃から行政がNPOを育成していく下地があると、協働を行おうとする時にいいパートナーとなっていけるのではないでしょうか。 実際のところ「協働」は難しいものだと実感しています。自分たちの本来の目的と違うのであれば、NPOは無理して協働する必要はないと思います。NPOの場合はお金がなくても自前でやったほうが自由にできるのかなっていう気もします。でも、目的が合致していいパートナーシップが組めるのであれば、協働することで地域にとってもいい成果が出ると思います。 鈴木:それと「協働」に対する誤解が双方にあると思うんですよね。「対等性」ということからスタートしようとすることにそもそも誤解があると思うのです。対等な関係性というのは最初からあるのではなくて、手順とか約束事をつくりながら、みんなで差を埋めてつくっていく、対等になっていくと言ってもいいと思うんです。それはお互いを理解しあうことでそうなっていくという関係性だと思います。 栃木県は「しもつかれ協働」?! 槇:『とちぎの協働事例集』(平成15年度・栃木県)では、「しもつかれ協働」が提案されていますね。私は「しもつかれ」という料理を知らなかったので、協働って手間暇がかかって「疲れる」からそういうのかと思ったのですが・・・。 鈴木:何と言っても「郷土(協働?)料理」っていうくらいですからね(笑)。ここで表現したのは、「しもつかれ」の料理のミッションは「栄養のバランスをとって健康に暮らしたい」ということで、そこにはある意味市民活動団体である大根や人参があって、「鬼おろし」がその団体をすり下ろしていく。その団体だけだと結構味がぶつかり合うんだけど、「酒粕」がそれをコーディネートしていくんだよね。だからここ(ぽぽら)の役目は酒粕かな。「しもつかれ」は、「見てくれは悪いけど絶品だぜ」という感じで。それから、ここでは「互いの違いを活かす」というのと、「お互いが変容する」というのが大事で、相手を変容させるのはすごく大変で「まず自分が変わっていこうよ」ということですね。 飯島:あとつけ加えるなら、「もったいない」ということかな。鮭の頭も、大豆ももったいない。地域にはもったいないものがいっぱいあって、「しもつかれ」はそれをうまく活かした保存料理で、「ちょっとやそっとじゃ腐んないぞ」みたいなしたたかさもいいですよね(笑)。 *次号に続く… |
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この内容は情報誌「ぽ・ぽ・ら」2007年2月号に掲載したものです。 |