社会貢献活動のイロハ
企業が実際に社会貢献活動に参加するにはどうしたらよいでしょうか。自社の立地する地域や事業活動と関連のある分野など、様々な視点や手法があります。自社にとっていかに参加しやすい活動を選定するかが今後の活動の継続や発展のポイントになるでしょう。
事業所が立地する地域を中心とした活動
地域との協力・連携する機会や場を充実させ、企業が地域との関わりを持つことは、地域との信頼関係や絆を深めることにつながります。これらの活動は、長期的に見れば、企業の社会的評価を高め、選ばれる企業づくりに結び付いていくと思われます。
(例)
- 地域の学校との連携
- お祭りを通じた交流、清掃活動への参加
- 清掃活動への参加
- 自社施設の地域への開放・提供
- 地域の魅力のPRなどによる地域振興
分野別にみた社会貢献活動
文化・芸術、スポーツなど、地域に根付いた伝統や活動に参加・協力したり、災害、福祉、教育、環境保全など、地域の課題を解決するための活動に取り組むことは、地域に大いに貢献することになります。地域を支え、地域とともに歩む企業として、なくてはならない存在にもなりえます。
(例)
- 音楽や芸術、演劇、建築、文学、文化遺産、歴史的建造物などを通じた文化・芸術振興・伝承への貢献
- 子どもの健全育成
- 地域スポーツ大会や教室の開催などによるスポーツ活動
- 災害時における被災地・被災者支援や自社備蓄物資の提供など
- リサイクルや美化清掃活動、環境学習、山や森、海、川等の保全活動、動植物の保護、自然エネルギーの利用、温暖化対策などの環境の分野に関する活動
本業の専門性に関連した活動
本業に関連した社会貢献活動は、企業の専門性を生かし、企業の商品・サービスの背景にある社会課題への気付きを喚起する効果をもちます。また、本業自体を見直す好機にもなっています。社会性と経済性の両立を目標に据え、戦略的に取り組むことで、持続的な社会貢献活動の可能性が広がるものと推察されます。
(例)
- キャリア教育、食育、金融などの社会教育
- 地域情報誌の発行
- 衣服リサイクル
- 地域スポーツチームのユニホームの洗濯
他機関と連携した活動
企業が社会貢献活動を通し、社会課題の解決に向け熱心に取り組むNPO等と連携した活動を行うことにより、企業にとっても様々なメリットが得られます。お互いにコミュニケーションをとりながら、社会貢献活動を行っていくことにより、何が本当に必要なのか、きちんと評価をしながら社会貢献活動を企業として行っていくことが可能になります。地域で地道に活動をしているNPOやNGOを資金的に援助したり、そこに人的援助をしたり、様々な連携による社会貢献が行われるようになってきました。活動を継続することで地域に根差した功績も生まれてきます。
CSRを推進する上での社内活動
CSRを推進する上で、社内体制を整備することは大切なことです。社内におけるCSR取組の目的の明確化や基本的な考え方の整理・周知に役立つほか、従業員の社会貢献活動への意欲向上や社内コミュニケーションの円滑化に寄与します。
(例)
- 取組方針の明文化
- CSR部署や担当者の整備
- ボランティア活動を通した社員研修
- 従業員の取組支援、各種制度(ボランティア休暇、表彰制度など)
- 育児休暇取得率の向上や事業所内保育園の設置
- ワーク・ライフ・バランスの推進
- 障がい者の就労支援
寄付に関する活動
寄付する物品は様々です。企業の経営資源を活かし、本業に関連した取組の中から実施することがポイントです。
- 物品寄付
- 衣料品、食料品、医療品、日用品
- クレジットのポイント
- 不動産
- 金銭寄付
- 団体を応援する募金箱の設置協力
- 街頭やイベント会場での募金活動
- チャリティーイベント参加費を寄付
- 賛助会員になって寄付
- マッチングギフト:社員が応援したいNPOを選定し寄付
- CRM(Cause Related Marketing):各企業が寄付つき商品を販売し、社会貢献活動団体に寄付