協働とは?

協働とは?

 「協働」は、明治の頃から使用されており、その意味は、「同一の目的を成し遂げるために、2人以上が協力して働くこと」です。(とちぎの協働スタートブックより)
  英語の場合、使用する人や文の流れ等でいくつかの表現がありますが、政治学者ヴィンセント・オスロム教授(アメリカ)の著作(1977年)にある「Coproduction」という言葉を、日本語で「協働」と訳しています。
  地域社会の様々な構成員が、地域の課題を一緒に考え、解決に向けて一緒に行動することによって、沢山の効果が期待できる、こうした関係を「協働」と呼んでいます。

◆栃木県では、次のように定義しています。

 協働とは、「県民、ボランティア、社会貢献活動団体、地域団体、各種団体、企業、行政などの地域社会の構成員が、地域における課題解決のために、対等の立場で、互いの違いを認め補い合い、目的を共有しながら、連携・協力していくこと」

(参考)日本NPOセンターでは、次のように定義しています。

 協働とは、「異種・異質の組織」が「共通の社会的な目的」を果たすために、「それぞれのリソース(資源・特性)」を持ち寄り、「対等の立場」で協力して働くこと。

誰が

 地域社会の構成員が(異種・異質の組織が)

何のために

 地域における課題解決のために(共通の社会的な目的を果たすために)

どうやって

 対等の立場で、互いの違いを認め補い合い、目的を共有しながら(リソース(資源・特性)を持ち寄り)

どうする

 連携・協力していく(協力して働く)

どんな効果がある?

 自己と異なる視点や資源(人材、経済力、ノウハウ、ネットワーク等)をもつ主体と協働することで、次のような効果が期待されます。
活動する側 受益者側 地域社会
○単独で実施するより活動の質が向上 ○多様できめ細かなサービス、質の高いサービスを受けられる
○地域課題が解決される
○地域の困りごとを解決する手段(サービスの選択肢)が増える

○地域の担い手が増える
○住民が積極的に地域づくりに関われる(自治のレベルアップ)

○住む人が望む地域の姿が創出される
○地域に新しい価値が生まれる
○互いに認め合うことで自己肯定感、組織の誇り、活動意欲の向上
○互いに刺激し合うことでの成長
 意識改革、新しいノウハウの獲得等、組織としても、人材としても成長
○作業の効率化
○人脈拡大、組織間のネットワーク ○活動する側にもなれる
○新しい価値の創出 ○新たな価値(サービス等)が提供される

なぜ、必要?

◆まず、協働することにより前述のような効果が期待されます。
◆次に、PDCAサイクルで必要性をひもとくと、
 P→関わった団体や人が多いと、多様なアイデアが出て多彩な計画が立てられる。
 D→多くの得意技、専門性が見込まれ、かつ共感のある意欲的な活動が展開される。
 CA→チェック及びアクションに多くの目と労力が注がれる。
 というように、単体で課題解決に取り組むよりも人や組織の関係性が広がり・深まり、時代のニーズに合致している手法といえるでしょう。
◆最後に、社会の流れでひもとくと、
 我が国では人口減少・超高齢社会の到来、経済のグローバル化や相次ぐ自然災害の発生への対応など、これまでにない課題に直面しています。都道府県、市町村により様々な施策が展開されていますが、急激な社会情勢の変化に伴い、行政だけで対応することは次第に困難となってきました。
 そこで、神奈川県では「横浜コード(通称)※協働豆知識参照」が策定され、佐賀県では「協働化テスト※協働豆知識参照」が実施されたように、民間(市民や企業等)の力を取り入れて、多様なサービスを提供しようという動きが広がりました。
 現在、少子高齢化が急激に進展している地域では、各セクターが力を合わせなければ地域が生き残れないというほどの危機感があります。長寿人口が増えるほど、地域内の関係性がますます重要になっていきます。
 そんな中で、協働という手法は、分野や垣根を越えて課題解決の効果が波及したり、将来的な課題発生にも対応できるような仕組みや人・地域のネットワーク構築など「新たな価値」を創造しています。連携・協力した各セクターが、それぞれの持つリソース(資源、特性)を活用し、地域に役立てています。つまり、課題解決にとどまらず、人や組織のつながりを深め、将来的にも暮らしやすい地域づくりに寄与していくという点で、必要性が高まっています。

協働豆知識

◆横浜コード(通称)
 日本での代表的な例としては、1999年に「横浜市における協働に関する基本方針」(通称:横浜コード)が設けられた。
◆協働化テスト
 2007年3月に発表された佐賀県の取組(公共サービスの担い手の多様化を図っていくプロセス)。この協働化テストは、2010年に日本で初めて「国連公共サービス賞」を受賞した。
◆協働関連ブック
 全国の様々な自治体が、協働の手引き・コツ・ル-ル等、協働に関する指針や計画等を策定し、推進を図ってきた。栃木県では、2007年に「とちぎの協働スタートブック」、2012年に「とちぎの協働ルール 物語から学ぶ協働のコツ」を編纂した。