ボランティアコーディネーション

ボランティアコーディネーションとは?

 ボランティアコーディネーションとは、「一人ひとりが社会を構成する重要な一員であることを自覚し、主体的・自発的に社会の様々な課題やテーマに取り組む」というボランティア活動の意義を認め、その活動のプロセスで多様な人や組織が相互に対等な関係でつながり、新たな力を生み出せるように調整することで、一人ひとりが市民社会づくりに参加することを可能にする働きです。
※出典:認定特定非営利活動法人日本ボランティアコーディネーター協会編集「ボランティアコーディネーション力第2版」
※出典:
認定特定非営利活動法人
日本ボランティアコーディネーター協会編集
「ボランティアコーディネーション力第2版」

ボランティアコーディネーションの必要性

 人々の価値観が多様化し、社会的な機能もより専門分化する現代、私たちの暮らしや仕事にとって、コーディネーション機能が不可欠になってきています。市民の自発的な社会参加と継続的な活動を支える「ボランティアコーディネーション」の働きもその一つです。
 単にボランティアしたい人と受けたいニーズをつなぐというだけの機能ではなく、一人ひとりが市民社会づくりに参加し、様々な社会課題に対して、その力と可能性を発揮できるように支える役割は、社会のあらゆる場面で求められています。
 ボランティアコーディネーションの展開は、広く市民活動を促進し、共感と連携に支えられた市民社会づくり、住民主体による社会づくりを促進していくものです。

ボランティアコーディネーションの3つの役割

 市民社会づくりにおけるボランティアコーディネーションの役割と、コーディネートの視点は、次のとおりです。
1 人々の「参加」の意欲を高める。
 視点 閉じずに新たなものに開いていく
 視点 役割を作ることで主体的な参加を引き出す
 視点 より深い参画への流れを作る
 視点 ボランティアを信じて任せる
 視点 存在や活動の意義を実感できるようにする
 視点 ボランティアの創意工夫を大切にする
 視点 より魅力的なボランティアプログラムにする
 視点 段階を追って参加を支援する
 視点 多様な関わり方を可能にする
2 人々がともに社会課題に取り組むことを支える。
  ・異なる立場の人や組織間で対等な関係を作り出す。
  ・異なる立場の人や組織がつながることで、総合力や新たな解決力を生み出す。
 視点 参加者を「お客さん化」(客体化)しない
 視点 多様な人材を巻き込む・発掘する
 視点 共感の連鎖を生み出す
 視点 自発性の落とし穴に気づく
 視点 それぞれの思いや言い分をしっかり聴く
 視点 ビジョンや問題意識を共有する
 視点 必要に応じて代弁、翻訳する
 視点 当事者のニーズを大切にする
 視点 豊かなコミュニケーションが生まれるようにする
 視点 枠組みを超える
 視点 市民の力を信じ、丁寧に関係を紡ぎ出す
 視点 他のボランティアコーディネーターと連携する
3 活動を通して気づいた問題をともに伝え広げる(問題の社会化)。
 視点 見えてきた課題を発信する

ボランティアコーディネーターの8つの役割

 ボランティアコーディネーションに関わる人の中には、自身の活動の中で必要な時に部分的にボランティアコーディネーションを実践する人と、日常的に仕事としてボランティアコーディネーションの役割を担う人がいます。ボランティアコーディネーターとは、ボランティア活動を理解しその意義を認め、その活動のプロセスで、多様な人や組織が相互に対等な関係でつながり、新たな力を生み出せるように調整することにより、一人ひとりが市民社会づくりに参加することを可能にするというボランティアコーディネーションの役割を、仕事として担っている人材(スタッフ)のことをいいます。ボランティアに関わる場においては、組織内にボランティアコーディネーションを明確に位置付け、ボランティアコーディネーターを配置し、さらには、コーディネーターの養成・研修・交流等を推進していくことが重要です。ボランティアコーディネーターには、次の8つの役割が求められます。
1 受け止める市民・団体からの多様な相談の受け止め
2 求める活動の場やボランティアの募集・開拓
3 集める情報の収集と整理
4 つなぐ調整や紹介
5 高める気づきや学びの機会の提供
6 創り出す新たなネットワークづくりやプログラム開発
7 まとめる記録・統計
8 発信する情報発信、提言、アドボカシー
 これら8つの役割は、互いに関連し合っています。特に「つなぐ」は、残り7つの役割の中心に位置づけられるものです。