災害ボランティアって?
災害が起きると、被災地ではあらゆるものが不足します。被災者個人、避難所、各地区、自治体など、様々な段階で、その不足分をカバーしてほしいというニーズが出てきます。ニーズは大きく分けて、ひと、もの、お金、情報の4分野があり、災害ボランティアの活動もこの4分野に分かれています。
「ひと」のニーズ

日本の災害対策は、市町村単位での地域対応が基本となっています。消防や警察、医療などの「公助」も、災害ボランティアなどの「共助」も、地域で対応できないレベルになって初めて、地域の外へ「ひと」の協力を要請します。
近所や地区での助け合いで対応できる被害の規模であれば、災害ボランティアセンターの設置などは行わず、地域の中で対応します。災害ボランティアの募集を呼びかける場合にも、「被災地の市町村在住者のみ」などの条件で地域内に限定する場合があります。
災害ボランティアに参加する場合には、まず、被災地の状況を調べ、「ひと」のニーズがあるかどうかを確認しましょう。
個人で参加する場合
地域の外からボランティアを募集する場合、災害ボランティアセンターで個人のボランティアの受入をしています。センターのホームページやSNSで参加するための情報(集合場所、活動内容、活動時間、活動条件など)を集めましょう。電話で問い合わせると、同じような問い合わせでセンターの回線がパンクしていまいますので注意してください。災害ボランティアセンターで活動する場合には、事前に自分の住んでいる地域の社会福祉協議会でボランティア保険に加入することをお薦めします。
団体で参加する場合
団体の実施しているボランティアバスなどで、現地に出向いて活動します。ボランティアバスは、自治体、社会福祉協議会、NPOなどが運行しており、こうした募集情報をインターネットで調べて応募します。災害時に活動するNPOなどでは、ボランティアバス以外にもボランティアを募集していることがあります。参加条件も事前にしっかりと調べておきましょう。
団体で参加する場合、団体のルールに従う必要があります。単独での行動はなるべく避けて、もし単独行動をする場合には、責任者の許可を得なければなりません。個人で参加するより自由がきかないことも多く、自分が希望する活動に参加できないこともあります。
「もの」のニーズ

ライフラインが寸断され、物流が止まった場合、被災地外への「もの」(救援物資)の応援要請が行われます。水や食料、毛布などの必需品は、都道府県や市町村などの行政が真っ先に募集します。一度により大きな量を均一に届ける必要があるため、行政や大企業からの協力が優先されます。
災害から少し時間がたつと、必要とされるものが変化します。女性用品や子ども用品、支援活動に使う備品や機材など、個人で協力できるものも出てきます。少量を直接被災地に送ってしまうと、現場で受取りや分配に苦労する場合があります。被災地に送る物資をとりまとめている団体もありますので、なるべく団体を介して送るようにしましょう。また、古着や中古品は、現場のニーズに合わず、被災地側が費用を負担して処分されるケースがほとんどです。いつ・何を送ればいいのか、正確な情報をつかんで送るようにしましょう。
「お金」のニーズ

災害復興には、道路やライフラインの修復、仮設住宅の設置など、様々な場面でお金が必要になります。被災地まで遠く、現地でのボランティア参加が難しいという場合には、募金によって被災地を支援することができます。
義援金と支援金
「義援金」は、日本赤十字や共同募金会などを通じて集められ、被災自治体に送られて「義援金分配委員会」の決定により、見舞金などとして被災者に「平等・公平」に分配されます。
「支援金」は、被災地でボランティア活動に携わるNPOなどの活動資金として提供され、被災地のニーズに合った活動に充てられます。
「情報」のニーズ

災害支援を迅速に行うためには、被害状況や物資の過不足、ボランティアの必要性など、現地の状況やニーズを正確かつ速やかに把握する必要があります。また、被災により情報の入手方法が限定されている場合、被災者に災害の正確な情報を伝えることも重要です。
SNSによって災害ボランティア活動の現場情報や、自治体からの情報の伝達事項を速やかに共有できるようになり、柔軟な支援が実施できるようになりました。
情報を発信する場合には、その情報が信頼性のあるものなのか、タイムリーな情報であるかに注意するようにしましょう。